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近況


2018年
3月26日
Geigesの本を勉強中。2章の証明はほとんど接触形式を固定しているので、noncoorientableな接触構造の場合に証明するのが難しい。
安定性定理はnoncoorientableでもできた。管状近傍定理は反例もありそう。探してないけど。
isotopy拡張はできそうだけど難しそう。ベクトル束に値を持つ微分形式の外微分の取り扱いってこんなのでいいのかな。

3月27日
noncoorientableの安定性定理の証明に勘違いを見つけた。isotopy拡張の場合と本質的に同じ難しさがありそう。
接束を接触構造で割った商束がflat connectionを許容すればできそう。これは余接束の射影化も含むのでcoorientableよりも真に広いクラスではある。
flat connectionがいつでも存在するなら嬉しいけど、一般のベクトル束では言えないらしい。
(John Milnor, "On the existence of a connection with curvature zero" , Comm. Math. Helv. v 32)
今この設定で反例があるかどうかはわからない。

4月5日
よく考えたらrank1のベクトル束は常にflatだった。(O(1)が離散群なので。)
それからこういう論文を見つけた。
Indranil Biswas, Mahuya Datta, "Nonorientable manifolds, complex and symplectic structures, and characteristic classes" , Bulletin des Sciences Mathematiques Volume 141, Issue 5, July 2017, Pages 489-508
僕が考えたことと全く同じことが書いてあった。ここから何か論文でも書けたら嬉しい。
とりあえずLefshetz pencilとの間に関係がないか探してみる。
そのためにはnonorientable complex line bundleのchern類について調べるのがよさそう。

4月22日
最近はずっとEngel多様体のことばかり考えている。接触トポロジーと葉層トポロジーを組み合わせたような議論が楽しい。
足立さんの論文に興味が向いてる。 注意深く読めば三次元多様体上のS^1束の形を持つEngel多様体と接触多様体の間の関係がわかるけど、接触orbifoldまでなら一般化できそう。
逆に一般のEngel多様体と対応する空間が持つべき構造は何だろう。
C^∞環とかC^∞スキームとかいうのがあって、これに期待しているけど難しくてよくわからない。
多様体はスキームとみなせるけどorbifoldはスタックとみなした方がいいみたい。スタックのことは何も知らないから手を付けづらい。

5月1日
遠藤先生の期待に沿って(round分解から得られる)Engel多様体を図式で表現する方法を探しているけど、一筋縄ではいかなそう。
round 1-ハンドルの取り扱いは難しくなさそうだし、多様体がclosedであると約束すれば3-ハンドルも省略できる。問題は2-ハンドル。
2-ハンドルの接着球面(?)はトーラスだから、たとえ描けたとしてもそれほど計算は簡単にならないと思う。
取り扱いのアイデアはあるけど、それがどの程度計算に適しているかは実践してみないとわからないし、正当化のためには三次元多様体論をいっぱい勉強しなきゃ。

7月22日
学振の申請書には適当なことばかり書いてしまったなと反省している。
でも他の人に話を聞くと似たような感想を聞くことができるので少し安心。(志の低い安心感。)
Montgomeryさんの論文で扱われている基本的な定義(Cartan延長とか)については、接触Orbifoldに対しても一通り整備できたと思う。
その先に続いてる結果を何か一般化できればいいけど、そのためにはまだまだ勉強しなきゃいけないことがたくさんあって大変。
とりあえず、Klukasさんらの結果を一般化するのは難しくなさそう。
Serreのスペクトル系列が鬼門だったけど、Lerayのスペクトル系列を通して層係数コホモロジーで理解できたのは個人的にとても見通しが良かった。
難しくない、とはいえ、論文にするなら整理しなきゃいけないことはたくさんあるけど。

11月26日
修論をarXivに投稿したのが反映された。
全く大した内容ではないけど、ひとまず形になったのは素直に嬉しい。
しかし英語が非常に苦手なので、きちんと通じる文章が書けているか心配。
h-principleの基本になるholonomic approximation theoremの証明が好みじゃないので、別証がないかと探しているけど難しそう。主張が如何にも成り立ちそうだという雰囲気は理解した。